第1学年5組理科学習指導案

時 間  第3校時
場 所  第2理科室
指導者  T1 澤信 也
     T2 内田稔之

1 単元名 「植物の世界」
         第2節 葉はどんなつくりとはたらきをしているか

2 単元の目標

○ 光合成について、進んで調べようとする。 【関心・意欲・態度】
○ 植物は光合成をしていることを説明できる。 【知識・理解】
○ 適切なプレパラートを作成し、表皮の細胞構造を観察できる。
【観察実験の技能・表現】
○ 光合成と葉緑体との関係について推定できる。 【科学的思考】
○ 葉緑体でデンプンがつくられていることを、顕微鏡を用いて確かめることができる。
【観察実験の技能・表現】

3 単元について

 中学生になって初めて学習していくのがこの「植物の世界」である。身近な植物のことでもあるし、野外観察やスケッチも行うので生徒の興味関心は高い。第1章で「植物の生活とからだのしくみ」で植物の各部位を詳しく学んでいき、第2章で「植物のなかま」では1章で学んだことをもとに植物を分類していく。
 すでに生徒は、小学校6年生で葉に日光が当たってデンプンができることや二酸化炭素を取り込んで酸素を出すことを習っている。そこで、葉のどこが日光をエネルギーにしてデンプンをつくっているのか、なぜ二酸化炭素を取り込んで酸素を出すのかなど、小学校で学んだことを意識し関連づけて学習を進めていきたい。また顕微鏡を使い、これらの具体的事象の観察・実験をできるだけ直接体験させたい。そして、教材を精選し確実に観察・実験が成功するように努力する。これらのことにより、光合成は葉緑体で行われることや気孔での気体の交換などといった未知との遭遇や驚きが興味・関心を啓発していくような理科学習の活性化を図る。
 また、植物の観察・実験を通して植物も我々と同じ生物であり、生きているということにも気づかせていきたい。生きている植物だからこそ光合成により二酸化炭素を取り込んで酸素を出すという観点で、地球温暖化といった環境教育につながっていくものと考える。

4 指導について

〈生徒の実態〉
 生徒について  男子 16名  女子 17名  計 33名
 多くの生徒が、何事にもまじめに取り組もうとしている。
 理科の授業では、考えたこと感じたことを発言したり、実験・観察に進んで取り組んだりと意欲的な生徒が多い。しかし、実験器具の正確な使い方を習得していない生徒が多く、気孔や葉緑体などの観察では、多くの班で教師の支援を必要とした。また、実験を行うにあたっては、班員が指示する手順を実行するだけで、意味を考えたり見通しを持って取り組んだりできる生徒が少なかった。これらは、今後の課題と考えている。
 本時の授業を行うにあたって、次のようなアンケートとレディネステストを行った。
 〔アンケート〕
1 理科の授業はどの程度分かりますか。
@よく分かる  8
Aだいたい分かる 19
B半分ぐらい分かる
C分からないことが多い
Dほとんど分からない
2 理科の授業は楽しいですか。
@とても楽しい
A楽しい 15
Bどちらともいえない 11
Cあまり楽しくない
D楽しくない
3 理科で勉強したことは、生活の中で役に立つと感じることはありますか
@ある
Aどちらかといえばある 22
Bどちらかといえばない
Cない
4 理科の教科書の写真や図に興味を持ちますか。
@持つ 12
Aどちらかといえば持つ 13
Bどちらかといえば持たない
C持たない
5 理科の学習で新しいことを知りたいと思いますか。
@思う 11
Aどちらかといえば思う 18
Bどちらかといえば思わない
C思わない
6 身近なことについて学習すると、自分でもっと調べたくなりますか。
@なる
Aどちらかといえばなる 12
Bどちらかといえばならない 15
Cならない
7 理科の観察や実験は、自分から進んで取り組んでいますか。
@取り組んでいる
Aどちらかといえば取り組んでいる 21
Bどちらかといえば取り組んでいない
C取り組んでいない
8 理科の実験で、予想した結果がでたときはどう思いますか。
@うれしい 15
Aどちらかといえばうれしい 17
Bどちらかといえばうれしくない
Cうれしくない
 〔レディネステスト〕
1 植物の光合成とは何をすることですか。(記述)
・日光を受け、水+CO2→デンプン+O2 5名
・日光を受け、水+CO2→O2 1名
・日光を受け、水+CO2→デンプン 1名
・日光を受け、CO2→デンプン+O2 3名
・日光を受け、CO2→デンプン 1名
・日光を受け、CO2→O2 1名
・日光を受け、デンプンを作る 5名
・養分を作る。 8名
・CO2→デンプン+O2 1名
・CO2を取り入れ、O2を出す 6名
・O2を出す 1名
・CO2やO2を取り入れたり、出したりする 1名
・日光を受け、デンプンを作り、呼吸をする 1名
・日光を当てること 1名
・無回答 3名

2 光合成は葉のどこで行われるか。
・葉緑体 19名 ・葉脈 2名
・葉 1名 ・葉の表面 2名
・葉の後ろ 1名 ・気孔 1名
・気孔のあるところ 1名 ・葉の先 1名
・無回答 4名

3 葉緑体は何色をしています。
・緑 32名 ・黄 1名

4 日光に良く当てた葉をエタノールで脱色し、葉緑体を顕微鏡で見た。何色か。
・白 10名 ・透明 7名 ・緑 8名
・青 3名 ・黄 1名 ・無回答 4名

5 日光に良く当てた葉をエタノールで脱色し、ヨウ素液につけた。何色か。
・青紫 28名 ・黒 1名 ・茶 1名
・変化なし 1名 ・緑 1名 ・無回答 1名

6 日光に当てなかった葉をエタノールで脱色し、ヨウ素液につけた。何色か。
・変わらない 15名 ・緑 3名 ・白 4名
・透明 3名 ・茶 2名 ・青 1名
・ヨウ素液の色 1名 ・黒 1名 ・黄 1名
・無回答 2名
 上記のアンケートから、理科に対する興味・関心の高い生徒が多いことが伺える。だが、生徒にとっては、教科書で学習した知識やその場の実験・観察で満足しており、身の周りの自然現象と結びつけ、科学的に考察したり、主体的に調べたりする生徒は少数である。
 また、レディネステストからは、光合成に対する基本的な知識やデンプンを確認する実験について、十分習得できていない現状が浮かび上がった。そこで、本時では、オオカナダモ以外の植物を用い、再度、日光を浴びた植物の葉緑体でデンプンが作られていることを確認し、確実な定着を図っていく。

〈指導について〉
○授業形態の工夫
 本校理科では数年前からTTによる指導を行っている。通常行われているのは、
 @ 一人が通常の一斉授業を行い、もう一人が机間指導を中心に行う。
  である。ただ今回は、
 A 一人の教師による授業を基本として、それにもう一人が加わり協力して授業を進める。
  (中心となる指導者は適時入れ替わる)
 といった指導も取り入れていきたい。生徒が見通しを持って課題に取り組むまではAのTTで、考察の場面では@のTTで行う。AのTTでは、教師2人が机間巡視を分担し、相談することで効率よく生徒の意見を引き出して発表につなげていきたい。@のTTでは、1人の教師が中心となって発問し、もう一人の教師が机間指導を行い生徒それぞれの考え方を深めるように援助していきたい。

○学習課題の明確化
 どの授業においても、学習内容がわかるような課題を設定することにより、ねらいを明確化し、その時間の授業に見通しを持たせる。また、授業の最後には課題にもどり課題にもどり「何がわかったのか」ということを明らかにさせることで、しっかりと自己評価をさせたい。このことが興味・関心を啓発していくと考える。

○本時の指導観
 本時の指導においては葉緑体でデンプンがつくられることはすでにオオカナダモの実験を通して習っているのだが、オオカナダモではなかなか葉緑体がヨウ素液によって青紫色に変化しない。そのためにオオカナダモではなくカタバミを使って実験を行い、葉緑体でデンプンがつくられることを視覚的におさえたい。また、脱色された葉緑体が徐々にヨウ素液によって青紫色に変化していく様も演示で見せていきたい。

〈単元の評価基準〉
評価の観点 評 価 基 準
理科への関心・意欲・態度 ・光合成について、進んで調べようとする。
科学的な思考 ・光合成と葉緑体との関係について推定できる。
観察・実験の技能・表現 ・葉緑体でデンプンがつくられていることを、顕微鏡を用いて確かめることができる。・適切なプレパラートを作成し、表皮の細胞構造を観察できる。
知識・理解 ・植物は光合成をしていることを説明できる。

〈教科指導の着眼点〉
○ 基礎・基本を明確にし、確実な定着を図る学習指導、また、その適切な評価がなされているか。
・ 定期テストでは観点別に点数化して評価している。また、小テストやワークシートを活用し基礎学力の定着を図っている。
・ 学力補充の時間には1問1答形式のプリントを行い、基礎・基本の力がつくように努力している。

○ 教材が児童生徒の興味関心がもてるように取り扱われて、楽しく充実感のある学習活動が組み立てられているか。
・ 理科大好きスクールに関係した実験を多く行うなど興味関心を刺激するような授業を行うよう努力している。
・ 本時のように、生徒に見せられるものはできるだけ見せようと、あちこちから教材を集めたり、理科のホームページから新しい実験や教材の情報収集をしている。
・ 上に書いたように、新規制刺激による興味・関心の喚起を促すように導入にも力を入れてく用に努力している。

○ 論理的な思考により課題を解決した喜びや充実感がある授業づくりが工夫されているか。
・ 実験を行う前に仮説を立てさせ、見通しを持って実験させている。

○ 観察・実験の効率化を図るための創意工夫による理科室経営がなされているか。
・一つ一つの観察・実験ごとに器具をワゴンに乗せておいておくなど、スムーズに観察・実験に移れるように努力している。

5 指導と評価の計画
時配 ねらい 学習内容 評 価 基 準 手だて◎→A ●→C
第1次 植物の体のつくりを知る。 植物の体のつくりを調べる。 【関心・意欲・態度】
・植物の体のつくりとはたらきについて、意欲的に調べようとする。
◎スケッチなどでよりわかりやすくまとめさせる。
●具体物を使い、意欲を持たせる。
第2次 いろいろな花の共通点を知る。 いろいろな花の構造を調べる。 【観察・実験の技能・表現】
・花の各部を観察して、まとめることができる。
◎よりわかりやすくまとめられるように工夫させる。
●良い例をあげて参考にさせる。
被子植物と裸子植物の共通点採点について知る。 被子植物と裸子植物の共通点採点について学ぶ。 【知識・理解】
・被子植物と裸子植物の構造上の違いを説明できる。
◎生殖とのかかわりから被子植物と裸子植物の構造上の違いを説明させる。
●簡単な模式図を使いながら説明する。
第3次 光合成について知る。 光合成の説明を聞く。 【知識・理解】
・植物は光合成をしていることを説明できる。
◎栄養補給という観点から説明できるようにする。
●日光が葉に当たりデンプンができたことを振り返らせる。
葉の表皮を観察する。 葉の表皮のプレパラートをつくり顕微鏡で観察する。 【観察・実験の技能・表現】
・プレパラートを作成し、表皮の細胞構造を観察できる。
◎葉のすじの違いを意識して2種類の葉を観察させる。
●個別にプレパラーの作成・観察を手伝い、助言する。
葉の細胞構造や葉緑体について知る。 葉の細胞構造や葉緑体の説明を聞く。 【知識・理解】
・葉はいろいろなはたらきを持った細胞から構成されていることを説明できる。
◎具体的な例をあげて説明させる。
●実物を映したモニターを示しながら説明する。
実験により葉緑体でデンプンがつくられることを知る。 実験により葉緑体でデンプンがつくられることを調べる。 【科学的な思考】
・葉緑体でデンプンがつくられることを、顕微鏡を用いて確かめることができる。
◎スケッチなどで詳しくまとめさせる。
●ワークシートを使い繰り返し指導する。
実験により植物が光合成を行うときに必要な気体について知る。 実験により植物が光合成を行うときに必要な気体について調べる。 【知識・理解】
・光合成には二酸化炭素が必要であることを説明できる。
◎光合成には何が必要で何が発生するのかわかりやすくまとめさせる。
●実験方法と結果を振り返らせる。
実験を行い、植物が呼吸を行っていることを知る。 実験を行い、植物が呼吸を行っていることを調べる。 【知識・理解】
・植物も動物と同じように、昼夜を通して呼吸していることを説明できる。
◎呼吸していることを細胞が生きているという観点から説明させる。
●実験方法と結果を図を使いながら振り返らせる。
第4次 植物の体の中の水や養分などの通り道について知る。 植物の体の中の水や養分などの通り道について話し合い、発表する。 【関心・意欲・態度】
・根や茎のつくりやはたらきについて調べようとする。
◎野菜など身近な植物を使い観察させる。
●野菜など身近な具体物を見せ意欲を持たせる。
観察により道管と師管について知る。 観察により道管と師管について学ぶ。 【知識・理解】
・道管と師管のはたらきについて説明できる。
◎スケッチや模式図などで詳しくまとめさせる。
●模式図を使いわかりやすく説明する。
植物体内の水の流れについて知る。 植物体内の水の流れについて説明を聞く。 【科学的な思考】
・根から吸収された水の通り道を追うことができる。
◎根から道管へ、そして気孔へと水の通り道を詳しく推定させる。
●模式図を使いわかりやすく説明する。
第5次 双子葉類と単子葉類について知る。 双子葉類と単子葉類についての説明を聞く。 【知識・理解】
・被子植物は双子葉類、単子葉類に分けられ、それぞれの特徴について言うことができる。
◎身近にある植物を分類させる。
●具体的に2種類の植物を見せ説明する。
植物の分類について知る。 植物の分類のまとめについての話を聞く。 【知識・理解】
・分類表をもとに植物のなかま分けをすることができる。
◎様々な植物の特徴をとらえさせ、分類させる。
●分類表を見ながら、一つ一つ分類させる。
第6次 葉緑体と光合成の関係を知る。 カタバミの葉の葉緑体と光合成の関係を調べる。 【観察・実験の技能・表現】
・葉緑体でデンプンがつくられていることを、顕微鏡を用いて確かめることができる。
◎スケッチなどでよりわかりやすくまとめさせる。
●ワークシートを使い繰り返し指導する。
葉緑体のない部分では光合成をしないことを知る。 ふ入りの葉を使い葉緑体と光合成の関係を調べる。 【科学的な思考】
・光合成と葉緑体との関係について推定できる。
◎わかりやすく説明できるように工夫させる。
●ワークシートを使い繰り返し指導する。

6 本時の目標

 日を当てたカタバミの葉と日を当てないカタバミのはでの光合成の様子を観察し、光合成はどこで行われて、何が必要なのかを考察できる。

7 準備物

ワークシート、顕微鏡、顕微鏡観察セット(スライドガラス、ピンセット、カバーガラス、ろ紙)、理科実験セット(試験管、ビーカー、ガラス棒)、ヨウ素溶液、お湯

8 本時の学習指導課程
学習内容 学習課程 ○教師の支援  ◆評価
T1 T2



B
次時の課題と予想
○次時の課題を知る。 ○課題を提示・板書する。
○復習をかねてオオカナダモでの葉緑体の実験を思い出させる。



○プランターに生えているカタバミの葉を用意し、アルミホイルをかぶせさせる。
●オオカナダモ以外の植物でも葉緑体で光合成は行われているのか調べよう。また、日光が当たっていない葉にはデンプンはつくられないのか調べよう。
次時の準備 ○カタバミの葉にアルミホイルをかぶせ日光が当たらないようにする。
@






本時の課題の確認 ○本時の課題を確認する。
○実験の方法と留意点を知る。
○課題を提示する。
○実験の方法と留意点の要点を板書する。
○課題を板書する。
○実験の方法と留意点を説明する。
実験の準備 ○実験に必要な器具を準備し、役割を確認する。
○実験器具を設置し、過不足はないかチェックを受ける。
○机間巡視(前半分) ○机間巡視(後ろ半分)
◆正しく設置できているか。
A










実験












演示実験






考察
○日光に当てたカタバミの葉をエタノールで脱色し、ヨウ素液につけ顕微鏡で観察する。
・脱色された葉緑体の粒が青紫色に変化する。

○日光に当てていないカタバミの葉をエタノールで脱色し、ヨウ素液につけ顕微鏡で観察する。
・脱色された葉緑体の粒は青紫色に変化しない。

○脱色された葉緑体がヨウ素液により変色していく様をモニターで観察する。
・脱色された葉緑体がヨウ素液により徐々に変色していく様子が見られる。

○カタバミの葉のどこで光合成は行われていたかを発表し、自分なりの考えでノートに書く。
・葉緑体

○光合成には何が必要かを発表し、自分なりの考えでノートに書く。
・日光
・光
・二酸化炭素
○机間巡視(前半分) ○机間巡視(後ろ半分)
◆器具を正しく使い、実験ができているか。










○演示実験を行う。






○生徒の発表に対し、演示実験のモニターを使い確認する。


○生徒の発表に対し、演示実験のモニターとワークシートを使い確認する。










○変色していく様を解説する。











○日光に当てていない方も青紫に変色する班には、日光に当てた方と比較し、考えるように助言する。
◆光合成は葉緑体で行われており、光が必要なことが自分なりの考えでノートにしっかり書ける。
B




次時の課題と予想 ○次時への課題を予想する。 ○次時の学習課題の提示。 ○次時の学習課題を板書する。
●葉の緑色でない部分では光合成は行われるのか。
・行われる
・行われない

9 反省

10 ご高評